ハジメは、溜息を吐くと、未だにふるふると震えながらハジメにしがみつく香織の頭を拳で軽く叩く。ビクッとしたあと、香織は、恐る恐るという感じでハ terjemahan - ハジメは、溜息を吐くと、未だにふるふると震えながらハジメにしがみつく香織の頭を拳で軽く叩く。ビクッとしたあと、香織は、恐る恐るという感じでハ Bahasa Indonesia Bagaimana mengatakan

ハジメは、溜息を吐くと、未だにふるふると震えながらハジメにしがみつく香

ハジメは、溜息を吐くと、未だにふるふると震えながらハジメにしがみつく香織の頭を拳で軽く叩く。ビクッとしたあと、香織は、恐る恐るという感じでハジメを見上げた。既に目尻には涙が溜まっており、口元はキュッと一文字に結ばれている。マジビビリだった。

「香織って、こういうの苦手か?」
「……得意な人なんているの?」
「魔物と思えばいいんじゃないか?」
「……ぐすっ、頑張る」

香織はそう言って、ハジメから離れた。手だけはハジメの服の裾を掴んで離さなかったが。

先程まで、ハジメに言われたことを気にして、どこか遠慮があったというのに、今は、絶対離れないからね! という強靭な意志が濡れた瞳に宿っている。必死だ。告白したときと同じくらいに。

その後も、廊下の先の扉をバンバン叩かれたかと思うと、その扉に無数の血塗れた手形がついていたり、首筋に水滴が当たって天井を見上げれば水を滴らせる髪の長い女が張り付いてハジメ達を見下ろしていたり、ゴリゴリと廊下の先から何かを引きずる音が下かと思ったら、生首と斧を持った男が現れ迫ってきたり……

そのほとんどは、ハジメが魔力弾で撃ち抜くか、ヤクザキックで瞬殺したのだが……

「やだよぉ……もう帰りたいよぉ……雫ちゃんに会いたいよぉ~」

船内を進むごとに激しくなる怪奇現象に、香織が幼児退行を起こし、ハジメの背に張り付いてそこから動かかなくなった。

ちなみに、雫の名を呼ぶのは、小さい時から光輝達に付き合わされて入ったお化け屋敷で、香織のナイト役を勤めていたのは雫だったからだそうだ。決して、ゆりゆりしているわけではない。

【メルジーネ海底遺跡】の創設者メイル・メルジーネは、どうやらとことん精神的に追い詰めるのが好きらしい。ハジメは、奈落の底で、闇と化け物に囲まれながら長期間サバイバルしていた経験があるので、特に、どうとも思わないが、普通の感性を持つ者なら精神的にキツイだろう。もっとも、ユエやティオが驚きむせび泣くところなど想像できないが……

先程までの人生の迷子的なシリアスな雰囲気は何処に行った? と、思わずツッコミを入れたくなるくらいハジメに引っ付き半泣きになりながら、それでも何とか回復魔法で怪奇を撃退していく香織とそれを見守るハジメ。途中、何度か香織が意識を飛ばしそうになりつつも、遂に二人は、船倉までたどり着いた。

重苦しい扉を開き中に踏み込む。船倉内にはまばらに積荷が残っており、ハジメ達は、その積荷の間を奥に向かって進む。すると、少し進んだところで、いきなり入ってきた扉がバタンッ! と大きな音を立てて勝手に閉まってしまった。

「ぴっ!?」
「……」

香織がその音に驚いて変な声を上げる。何だか、迷宮を攻略したあとも自分のした大切な話を覚えているのか心配になって来たハジメ。ああいう話を何度もするのは勘弁だった。

ハジメが、溜息を吐きながらビクつく香織の肩をポンポンと撫でて宥めていると、また異常事態が発生した。急に濃い霧が視界を閉ざし始めたのだ。

「ハハハハハハ、ハジメくん!?」
「何か陽気な外人の笑い声みたいになってるぞ。今まで通り、魔法でぶっ飛ばせばいいだけだ。大丈夫だって」

ハジメがそう答えた瞬間、ヒュ! と風を切る音が鳴り霧を切り裂いて何かが飛来した。咄嗟に、ハジメが左腕を掲げると、ちょうど首の高さで左腕に止められた極細の糸が見えた。更に、連続して風を切る音が鳴り、今度は四方八方から矢が飛来する

「ここに来て、物理トラップか? ほんとに嫌らしいな! 解放者ってのはどいつもこいつも!」
「守護の光をここに “光絶”!」

ハジメは、一瞬、意表を突かれたものの、所詮はただの原始的な武器であることから難なく捌き、香織も防御魔法を発動した。直後、前方の霧が渦巻いたかと思うと、凄まじい勢いの暴風がハジメと香織に襲いかかった。

ハジメは、靴のスパイクで体を固定し飛ばされないようにしつつ、咄嗟に、隣の香織を掴もうとしたが、運悪く香織の防御魔法が邪魔になり、一瞬の差で手が届かなかった。

「きゃあ!?」

香織は悲鳴を上げて暴風に吹き飛ばされ霧の中へと姿を消す。ハジメは舌打ちをして感知系能力を使い香織の居場所を把握しようとした。しかし、どうやらこの霧は【ハルツィナ樹海】の霧と同じように方向感覚や感知系の能力を阻害する働きがあるようで、あっさり見失ってしまった。

「ちっ、香織。そこを動くなよ!」

舌打ちしつつ香織に呼びかけるハジメに、今度は前方の霧を切り裂いて、長剣を振りかぶった騎士風の男が襲いかかってきた。何らかの技なのだろう、凄まじい剣技を繰り出してくる。

ハジメは、それを冷静にドンナーで受け流すと、大きく相手の懐に踏み込み左のシュラークを腹に当てがって魔力弾を撃ち放つ。腹に風穴を開けられた騎士風の男は苦悶の声を上げることもなくそのまま霧散した。

しかし、同じような並みの技量ではない剣士や拳士、他にも様々な武器を持った武闘派の連中が、霧に紛れて次々に襲いかかってきた。

「クソ面倒な……」

悪態を吐きつつ、ハジメは、紅色の魔力弾を衛星のように体の周囲に展開し、“瞬光”も発動して即行で片付けにかかる。香織の声が聞こえないのが気がかりだったのだ。

一方、その香織はというと、ハジメの姿が見えなくなってしまった事に猛烈な不安と恐怖を感じていた。ホラーは、本気で苦手なのだ。こればっかりは、体が勝手に竦んでしまうので、克服するのは非常に難しい。ただでさえ、劣等感から卑屈になっている点を指摘されてしまい、何とか、そんなことはないと示そうと思っていたのに、肝心なところで縋り付いてしまう自分がほとほと嫌になる。

こんなことではいけないと震える体を叱咤して、香織は何とか立ち上がる。と、その時、香織の肩に手が置かれた。ハジメは、よく肩をポンポンと叩いて励ますことがあるので、自分を見つけてくれたのかと、一瞬、喜びか湧き上がった。

「ハジメく……」

直ぐに振り向こうとして、しかし、その前に、香織は、肩に置かれた手の温かみが妙に薄いことに気がついた。いや、もっと正確に言うなら、温かいどころか冷たい気さえする。香織の背筋が粟立った。自分の後ろにいるのは、ハジメではない。直感で悟る。

では、一体だれ?

油を差し忘れた機械のようにギギギと音がなりそうな有様で背後を振り返った香織の眼前には……目、鼻、口――顔の穴という穴の全てが深淵のような闇色に染まった女の顔があった。

「あふぅ~」

香織の精神は一瞬で許容量をオーバーし、防衛本能に従ってその意識を手放した。

その頃、ハジメは、わずか二分程で五十体近い戦士の亡霊達を撃滅していた。大体、二~三秒で歴戦の戦士を一体屠っている計算だ。と、その時、一瞬、攻勢が止んだかと思うと、霧の中から大剣を大上段に振りかぶった大男が現れ、霧すら切り裂きながら莫大な威力を秘めた剣撃を繰り出した。

ハジメは、半身になってその一撃をかわす。しかし、最初から二ノ剣が想定されていたのか、地面にぶつかった反動も利用して大剣が跳ね上がった。

ハジメは、その場で跳躍すると、“金剛”をかけつつ大剣に義手を引っ掛けその上に飛び乗る。そして、振り切られた大剣の上に膝立ちするハジメは、スっとドンナーを大男の頭部に向け魔力弾を撃ち放った。

頭部を吹き飛ばされ大男が霧散すると同時に、周囲の霧も晴れ始める。

「香織! どこだ!」

ハジメは、香織の気配を感知しようと集中する。しかし、そんなことをするまでもなく、香織はあっさり見つかった。

「ここだよ。ハジメくん」
「香織、無事だったか……」

微笑みながら歩み寄ってくる香織に、ハジメは安堵の吐息をもらす。そんなハジメの様子に、香織は更に婉然と微笑むと、そっとハジメに寄り添った。

「すごく、怖かった……」
「そうか……」
「うん。だからね、慰めて欲しいな」

そう言って、香織はハジメの首に腕を回して抱きついた。そして、鼻と鼻が触れ合いそうなほど間近い場所で、その瞳がハジメの口元を見つめる。やがて、ゆっくりと近づいていき……

ゴツッ

と音を立てて、香織のこめかみにドンナーの銃口が突きつけられた。

「な、なにを……」

狼狽した様子を見せる香織に、ハジメの眼が殺意を宿して凶悪に細められる。

「なにを? もちろん、敵を殺すんだよ。お前がそうしようとしたようにな」

そう言って、ハジメは微塵も躊躇わず引き金を引いた。ドンナーから紅色に輝く弾丸が撃ち放たれ容赦なく香織のこめかみを穿ち、吹き飛ばす。

カランカラン

音を立てて転がったのは錆び付いたナイフだ。香織の手から放り出された物であり、抱きつきながら袖口から取り出したものでもある。コツコツと足音を立てながら、倒れた香織に近寄るハジメ。香織は体を起こし、怯えたように震えた声でハジメに話しかける。

「ハジメくん、どうしてこんなことッ!?」

しかし、ハジメは取り合わず再び香織に魔力弾を撃ち込んだ。

「香織の声で勝手話すな。香織の体で勝手に動くな。全て見えているぞ? 香織に巣食ったゴミクズの姿がな」

そう、ハジメの魔眼石には、香織と重なるようにしてとり憑いている女の亡霊のようなものが映っていた。正体がバレていると悟ったのか、香織の姿をした亡霊は、先程までの怯えた表情が嘘のように、今度はニヤニヤと笑い出した。

「ウフフ、それがわかってもどうする事も出来ない……もう、この女は私のものッ!?」

そう話しながら立ち上がろうとした香織(憑)だったが、ハジメに馬乗りに押し倒され再び倒れこんだ。

「まてっ! なにをするの! この女は、あんたの女! 傷つけるつもりッ!?」
「頭の悪い奴だ。話すな、動くなと言っただろう? 別に香織は傷つけないさ。魔力弾で肉体は傷つかない。苦しむのは取り憑いたお前だけだ」
「私が消滅すれば、この女の魂も壊れるのよ! それでもいいの!?」

その言葉に、ハジメが少し首を傾げる。ハッタリの可能性も十分にあるが、真偽を確かめるすべがない。普通なら、躊躇し手を出せなくなるだろう。香織(憑)もそう思ったのか、再びニヤつきながら、上からどけとハジメに命令した。それに対するハジメの返答は、

スパンッ! スパンッ!

魔力弾を撃ち込むことだった。苦痛を感じているのか香織(憑)の表情が歪む。そして焦った表情で更に魔力弾を撃ち込もうとするハジメに怒声を上げた。

「あんた正気なの!? この女がどうなってもいいの!?」
「黙れ、ゴミクズ。お前の言う通り攻撃を止めたところで、香織の体は奪われたままだろうが。それに、逆に言えば、消滅させなければ魂は壊れないんだろう? なら、出て行きたくなるまで死なないようにお前を嬲ればいいだけだ」

あまりに潔い発言に絶句する女の亡霊。そして、ハジメの濃密な殺意が宿った眼光に射抜かれて硬直する。

「俺の“大切”に手を出したんだ……楽に消滅なんてさせない。あらゆる手段を尽くして、消えないようにしてやる。あらゆる苦痛を与えて、それでも狂うことすら許さない。お前は敵だが……絶対に殺してやらない」

ハジメの体から紅色の魔力が噴き上がり、白髪が煽られてゆらゆらと揺らめく。殺気も魔力も荒れ狂い、にもかかわらず瞳だけが氷のように凍てついている。

ハジメは、激怒しているのだ。かつてないほど。ただ敵を殺すだけでは飽き足らない、“残虐性”が発露するほどに。

香織にとり憑いた亡霊は、余りに濃密でおぞましい殺意に、もはや硬直してハジメを凝視する以外何も出来なかった。この時になって、ようやく悟ったのである。自分が決して手を出してはいけない化け物の、決して触れてはいけない禁忌に触れてしまったのだと。

ドンナーの銃口が、香織(憑)の額に押し当てられる。とり憑いた亡霊は、ただひたすら願った。一秒でも早く消えてしまいたいと。これからされるかだろう“何か”を思うと、少しでも早く消えてしまいたかった。

亡霊の正体は、元々、生に人一倍強く執着する思念が変質したものだったのだが、その思いすら吹き飛ばすほど、今のハジメの放つ雰囲気は恐ろ
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ハジメは、溜息を吐くと、未だにふるふると震えながらハジメにしがみつく香織の頭を拳で軽く叩く。ビクッとしたあと、香織は、恐る恐るという感じでハジメを見上げた。既に目尻には涙が溜まっており、口元はキュッと一文字に結ばれている。マジビビリだった。「香織って、こういうの苦手か?」「……得意な人なんているの?」「魔物と思えばいいんじゃないか?」「……ぐすっ、頑張る」 香織はそう言って、ハジメから離れた。手だけはハジメの服の裾を掴んで離さなかったが。 先程まで、ハジメに言われたことを気にして、どこか遠慮があったというのに、今は、絶対離れないからね! という強靭な意志が濡れた瞳に宿っている。必死だ。告白したときと同じくらいに。 その後も、廊下の先の扉をバンバン叩かれたかと思うと、その扉に無数の血塗れた手形がついていたり、首筋に水滴が当たって天井を見上げれば水を滴らせる髪の長い女が張り付いてハジメ達を見下ろしていたり、ゴリゴリと廊下の先から何かを引きずる音が下かと思ったら、生首と斧を持った男が現れ迫ってきたり…… そのほとんどは、ハジメが魔力弾で撃ち抜くか、ヤクザキックで瞬殺したのだが……"Dan itu?. Saya ingin kembali!... Saya ingin melihat shizuku-Chan! ~ " Pergi di masing-masing keras, supranatural, Kaori anak usang, Hajime kembali, atau memindahkan dari ada atau tidak lagi. By the way, panggilan nama adalah orang-orang mereka terang dari memasuki rumah berhantu, bekerja untuk peran Kaori Knight tetes karena begitu adalah. Hal ini tidak berguna, tidak pernah. [Melsine bawah reruntuhan] pendiri mail Melusine adalah ia suka memburu rupanya berkomitmen untuk rohani. Hajime adalah di bagian bawah dari jurang, dikelilingi oleh kegelapan dan monster sementara telah pengalaman kelangsungan hidup jangka panjang, jadi, terutama jika setidaknya tidak memiliki kepekaan biasa orang akan emosional Kitui. Namun, Yue dan tidak bisa membayangkan, mana terisak-isak kejutan TIO. Sebelumnya untuk kehidupan yang hilang suasana serius pergi mana? Secara naluriah, dan sebagai tsukkomi ke Hajime mulai, setengah-menangis, sementara kita masih entah bagaimana mengusir misteri dalam penyembuhan spells, Kaori dan Hajime mengawasi di atasnya. Tapi sepanjang jalan, Kaori beberapa kali untuk terbang ke dan akhirnya berhasil untuk menahan dua orang. 重苦しい扉を開き中に踏み込む。船倉内にはまばらに積荷が残っており、ハジメ達は、その積荷の間を奥に向かって進む。すると、少し進んだところで、いきなり入ってきた扉がバタンッ! と大きな音を立てて勝手に閉まってしまった。「ぴっ!?」「……」 香織がその音に驚いて変な声を上げる。何だか、迷宮を攻略したあとも自分のした大切な話を覚えているのか心配になって来たハジメ。ああいう話を何度もするのは勘弁だった。 ハジメが、溜息を吐きながらビクつく香織の肩をポンポンと撫でて宥めていると、また異常事態が発生した。急に濃い霧が視界を閉ざし始めたのだ。「ハハハハハハ、ハジメくん!?」「何か陽気な外人の笑い声みたいになってるぞ。今まで通り、魔法でぶっ飛ばせばいいだけだ。大丈夫だって」 ハジメがそう答えた瞬間、ヒュ! と風を切る音が鳴り霧を切り裂いて何かが飛来した。咄嗟に、ハジメが左腕を掲げると、ちょうど首の高さで左腕に止められた極細の糸が見えた。更に、連続して風を切る音が鳴り、今度は四方八方から矢が飛来する「ここに来て、物理トラップか? ほんとに嫌らしいな! 解放者ってのはどいつもこいつも!」"Cahaya pelindung di sini" Oven cahaya"! 」 Hajime tertangkap mengejutkan untuk beberapa saat, tetapi dari senjata primitif hanya setelah perselisihan tanpa kesulitan, Kaori juga diaktifkan defensif sihir. Tak lama setelah, atau berputar di depan kabut dan saya pikir badai pembalasan menyerang Kaori sebagai Hajime. Hajime di sepatu paku tetap tubuh dan tidak untuk diterbangkan, pshaw, menyambar di Kaori, tapi sayangnya keajaiban defensif Kaori harus keluar dari jalan, oleh jangkauan saat itu."Kapan Ah Nya! 」 Kaori menjerit dan tertiup angin yang kuat, menghilang ke dalam kabut. Rydeen adalah merasakan sistem kemampuan untuk menggunakan lidah, mencoba untuk mengetahui keberadaan Kaori. Namun, rupanya ini kabut [hull Zina Jukai] tampaknya akan menghambat kemampuan rasa arah dan rasa sama seperti kabut dan mudah hilang."Segera aku, Kaori. Tidak memegang itu tidak! 」 TUT dan kemudian diserang oleh seorang Hajime, sekarang luka melalui kabut di depan 振rikabutta pedang panjang ksatria untuk Kaori. Adalah sebuah teknik untuk beberapa keterampilan pedang yang menakjubkan, akan keluar. Hajime adalah dingin oleh Donna Parry dan melangkah kiri schlag perut saya mengandalkan peluru ajaib menembak menembak lawan yang lebih besar. Tanpa meningkatkan suara penderitaan seorang ksatria dibuka sebuah lubang di dalam perut seperti dihamburkan. しかし、同じような並みの技量ではない剣士や拳士、他にも様々な武器を持った武闘派の連中が、霧に紛れて次々に襲いかかってきた。「クソ面倒な……」 悪態を吐きつつ、ハジメは、紅色の魔力弾を衛星のように体の周囲に展開し、“瞬光”も発動して即行で片付けにかかる。香織の声が聞こえないのが気がかりだったのだ。 一方、その香織はというと、ハジメの姿が見えなくなってしまった事に猛烈な不安と恐怖を感じていた。ホラーは、本気で苦手なのだ。こればっかりは、体が勝手に竦んでしまうので、克服するのは非常に難しい。ただでさえ、劣等感から卑屈になっている点を指摘されてしまい、何とか、そんなことはないと示そうと思っていたのに、肝心なところで縋り付いてしまう自分がほとほと嫌になる。 こんなことではいけないと震える体を叱咤して、香織は何とか立ち上がる。と、その時、香織の肩に手が置かれた。ハジメは、よく肩をポンポンと叩いて励ますことがあるので、自分を見つけてくれたのかと、一瞬、喜びか湧き上がった。「ハジメく……」 直ぐに振り向こうとして、しかし、その前に、香織は、肩に置かれた手の温かみが妙に薄いことに気がついた。いや、もっと正確に言うなら、温かいどころか冷たい気さえする。香織の背筋が粟立った。自分の後ろにいるのは、ハジメではない。直感で悟る。 では、一体だれ? 油を差し忘れた機械のようにギギギと音がなりそうな有様で背後を振り返った香織の眼前には……目、鼻、口――顔の穴という穴の全てが深淵のような闇色に染まった女の顔があった。「あふぅ~」 香織の精神は一瞬で許容量をオーバーし、防衛本能に従ってその意識を手放した。 その頃、ハジメは、わずか二分程で五十体近い戦士の亡霊達を撃滅していた。大体、二~三秒で歴戦の戦士を一体屠っている計算だ。と、その時、一瞬、攻勢が止んだかと思うと、霧の中から大剣を大上段に振りかぶった大男が現れ、霧すら切り裂きながら莫大な威力を秘めた剣撃を繰り出した。 ハジメは、半身になってその一撃をかわす。しかし、最初から二ノ剣が想定されていたのか、地面にぶつかった反動も利用して大剣が跳ね上がった。 ハジメは、その場で跳躍すると、“金剛”をかけつつ大剣に義手を引っ掛けその上に飛び乗る。そして、振り切られた大剣の上に膝立ちするハジメは、スっとドンナーを大男の頭部に向け魔力弾を撃ち放った。 頭部を吹き飛ばされ大男が霧散すると同時に、周囲の霧も晴れ始める。「香織! どこだ!」 ハジメは、香織の気配を感知しようと集中する。しかし、そんなことをするまでもなく、香織はあっさり見つかった。「ここだよ。ハジメくん」「香織、無事だったか……」 微笑みながら歩み寄ってくる香織に、ハジメは安堵の吐息をもらす。そんなハジメの様子に、香織は更に婉然と微笑むと、そっとハジメに寄り添った。「すごく、怖かった……」「そうか……」「うん。だからね、慰めて欲しいな」 そう言って、香織はハジメの首に腕を回して抱きついた。そして、鼻と鼻が触れ合いそうなほど間近い場所で、その瞳がハジメの口元を見つめる。やがて、ゆっくりと近づいていき……ゴツッ と音を立てて、香織のこめかみにドンナーの銃口が突きつけられた。「な、なにを……」 狼狽した様子を見せる香織に、ハジメの眼が殺意を宿して凶悪に細められる。「なにを? もちろん、敵を殺すんだよ。お前がそうしようとしたようにな」 そう言って、ハジメは微塵も躊躇わず引き金を引いた。ドンナーから紅色に輝く弾丸が撃ち放たれ容赦なく香織のこめかみを穿ち、吹き飛ばす。カランカラン 音を立てて転がったのは錆び付いたナイフだ。香織の手から放り出された物であり、抱きつきながら袖口から取り出したものでもある。コツコツと足音を立てながら、倒れた香織に近寄るハジメ。香織は体を起こし、怯えたように震えた声でハジメに話しかける。「ハジメくん、どうしてこんなことッ!?」 しかし、ハジメは取り合わず再び香織に魔力弾を撃ち込んだ。「香織の声で勝手話すな。香織の体で勝手に動くな。全て見えているぞ? 香織に巣食ったゴミクズの姿がな」 そう、ハジメの魔眼石には、香織と重なるようにしてとり憑いている女の亡霊のようなものが映っていた。正体がバレていると悟ったのか、香織の姿をした亡霊は、先程までの怯えた表情が嘘のように、今度はニヤニヤと笑い出した。「ウフフ、それがわかってもどうする事も出来ない……もう、この女は私のものッ!?」 そう話しながら立ち上がろうとした香織(憑)だったが、ハジメに馬乗りに押し倒され再び倒れこんだ。「まてっ! なにをするの! この女は、あんたの女! 傷つけるつもりッ!?」「頭の悪い奴だ。話すな、動くなと言っただろう? 別に香織は傷つけないさ。魔力弾で肉体は傷つかない。苦しむのは取り憑いたお前だけだ」「私が消滅すれば、この女の魂も壊れるのよ! それでもいいの!?」 その言葉に、ハジメが少し首を傾げる。ハッタリの可能性も十分にあるが、真偽を確かめるすべがない。普通なら、躊躇し手を出せなくなるだろう。香織(憑)もそう思ったのか、再びニヤつきながら、上からどけとハジメに命令した。それに対するハジメの返答は、スパンッ! スパンッ! 魔力弾を撃ち込むことだった。苦痛を感じているのか香織(憑)の表情が歪む。そして焦った表情で更に魔力弾を撃ち込もうとするハジメに怒声を上げた。「あんた正気なの!? この女がどうなってもいいの!?」「黙れ、ゴミクズ。お前の言う通り攻撃を止めたところで、香織の体は奪われたままだろうが。それに、逆に言えば、消滅させなければ魂は壊れないんだろう? なら、出て行きたくなるまで死なないようにお前を嬲ればいいだけだ」 あまりに潔い発言に絶句する女の亡霊。そして、ハジメの濃密な殺意が宿った眼光に射抜かれて硬直する。「俺の“大切”に手を出したんだ……楽に消滅なんてさせない。あらゆる手段を尽くして、消えないようにしてやる。あらゆる苦痛を与えて、それでも狂うことすら許さない。お前は敵だが……絶対に殺してやらない」 ハジメの体から紅色の魔力が噴き上がり、白髪が煽られてゆらゆらと揺らめく。殺気も魔力も荒れ狂い、にもかかわらず瞳だけが氷のように凍てついている。 ハジメは、激怒しているのだ。かつてないほど。ただ敵を殺すだけでは飽き足らない、“残虐性”が発露するほどに。 香織にとり憑いた亡霊は、余りに濃密でおぞましい殺意に、もはや硬直してハジメを凝視する以外何も出来なかった。この時になって、ようやく悟ったのである。自分が決して手を出してはいけない化け物の、決して触れてはいけない禁忌に触れてしまったのだと。 ドンナーの銃口が、香織(憑)の額に押し当てられる。とり憑いた亡霊は、ただひたすら願った。一秒でも早く消えてしまいたいと。これからされるかだろう“何か”を思うと、少しでも早く消えてしまいたかった。 亡霊の正体は、元々、生に人一倍強く執着する思念が変質したものだったのだが、その思いすら吹き飛ばすほど、今のハジメの放つ雰囲気は恐ろ
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