もう一度、思い出して [ハジメ]と[香織]が見上げる帆船は、地球でもそうそうお目にかかれない規模の本当に巨大な船だった。 全長三百メートル以 terjemahan - もう一度、思い出して [ハジメ]と[香織]が見上げる帆船は、地球でもそうそうお目にかかれない規模の本当に巨大な船だった。 全長三百メートル以 Inggris Bagaimana mengatakan

もう一度、思い出して [ハジメ]と[香織]が見上げる帆船は、地球でもそ

もう一度、思い出して

[ハジメ]と[香織]が見上げる帆船は、地球でもそうそうお目にかかれない規模の本当に巨大な船だった。

全長三百メートル以上、地上に見える部分だけでも十階建て構造になっている。そこかしこに荘厳な装飾が施してあり、朽ちて尚、見るものに感動を与えるほどだ。木造の船で、よくもまぁ、これほどの船を仕上げたものだと、同じく物造りを得意とする[ハジメ]は、当時の職人達には尊敬の念を抱かずにはいられなかった。

[ハジメ]は、[香織]を抱えると“空力”を使って飛び上がり、豪華客船の最上部にあるテラスへと降り立った。すると、案の定、周囲の空間が歪み始める。

「またか……[香織]、気をしっかりもてよ。どうせ碌な光景じゃない」
「……うん。大丈夫だよ」

テンポの遅い[香織]の返事に、[ハジメ]は、先程の指摘は、迷宮攻略中に言う事ではなかったかと軽く後悔した。明らかに、[香織]のテンションがダダ下がりである。言わなければならないことだったと確信しているが、もう少し、タイミングというものがあったかもしれない。[香織]の浮かべる笑みが、[ハジメ]の知っているものと余りに異なり見ていられなくなったのだが……せめて【メルジーネ海底遺跡】を攻略するまで我慢すべきだった、かもしれないと[ハジメ]は頬をカリカリと掻きながら思った。

そうこうしている内に周囲の景色は完全に変わり、今度は、海上に浮かぶ豪華客船の上にいた。

時刻は夜で、満月が夜天に輝いている。豪華客船は光に溢れキラキラと輝き、甲板には様々な飾り付けと立食式の料理が所狭しと並んでいて、多くの人々が豪華な料理を片手に楽しげに談笑をしていた。

「パーティー……だよね?」
「ああ。随分と煌びやかだが……メルジーネのコンセプトは勘違いだったか?」

予想したような凄惨な光景とは程遠く肩透かしを喰ったような気になりながら、その煌びやかな光景を、[ハジメ]と[香織]は、おそらく船員用の一際高い場所にあるテラスから、巨大な甲板を見下ろす形で眺めていた。

すると、[ハジメ]達の背後の扉が開いて船員が数名現れ、少し離れたところで一服しながら談笑を始めた。休憩にでも来たのだろう。

その彼等の話に聞き耳を立ててみたところ、どうやら、この海上パーティーは、終戦を祝う為のものらしい。長年続いていた戦争が、敵国の殲滅や侵略という形ではなく、和平条約を結ぶという形で終わらせることが出来たのだという。船員達も嬉しそうだ。よく見れば、甲板にいるのは人間族だけでなく、魔人族や亜人族も多くいる。その誰もが、種族の区別なく談笑をしていた。

「こんな時代があったんだね」
「終戦のために奔走した人達の、まさに偉業だな。終戦からどれくらい経っているのか分からないが……全てのわだかまりが消えたわけでもないだろうに……あれだけ笑い合えるなんてな……」
「きっと、あそこに居るのは、その頑張った人達なんじゃないかな? 皆が皆、直ぐに笑い合えるわけじゃないだろうし……」
「そうだな……」

楽しげで晴れやかな人々の表情を見ていると、[ハジメ]と[香織]も自然と頬が緩んだ。暫く眺めていると、甲板に用意されていた壇上に初老の男が登り、周囲に手を振り始めた。それに気がついた人々が、即座におしゃべりを止めて男に注目する。彼等の目には一様に敬意のようなものが含まれていた。

初老の男の傍には側近らしき男と何故かフードをかぶった人物が控えている。時と場合を考えれば失礼に当たると思うのだが……しかし、誰もフードについては注意しないようだ。

やがて、全ての人々が静まり注目が集まると、初老の男の演説が始まった。

「諸君、平和を願い、そのために身命を賭して戦乱を駆け抜けた勇猛なる諸君、平和の使者達よ。今日、この場所で、一同に会す事が出来たことを誠に嬉しく思う。この長きに渡る戦争を、私の代で、しかも和平を結ぶという形で終わらせる事が出来たこと、そして、この夢のような光景を目に出来たこと……私の心は震えるばかりだ」

そう言って始まった演説を誰もが身じろぎ一つせず聞き入る。演説は進み、和平への足がかりとなった事件や、すれ違い、疑心暗鬼、それを覆すためにした無茶の数々、そして、道半ばで散っていった友……演説が進むに連れて、皆が遠い目をしたり、懐かしんだり、目頭を抑えて涙するのを堪えたりしている。

どうやら初老の男は、人間族のとある国の王らしい。人間族の中でも、相当初期から和平のために裏で動いていたようだ。人々が敬意を示すのも頷ける。

演説も遂に終盤のようだ。どこか熱に浮かされたように盛り上がる国王。場の雰囲気も盛り上がる。しかし、[ハジメ]は、そんな国王の表情を何処かで見たことがあるような気がして、途端に嫌な予感に襲われた。

「――こうして和平条約を結び終え、一年経って思うのだ………………実に、|愚かだったと《・・・・・・》」

国王の言葉に、一瞬、その場にいつ人々が頭上に“?”を浮かべる。聞き間違いかと、隣にいる者同士で顔を見合わせる。その間も、国王の熱に浮かされた演説は続く。

「そう、実に愚かだった。獣風情と杯を交わすことも、異教徒共と未来を語ることも……愚かの極みだった。わかるかね、諸君。そう、君達のことだ」
「い、一体、何を言っているのだ! アレイストよ! 一体、どうしたと言うッがはっ!?」

国王アレイストの豹変に、一人の魔人族が動揺したような声音で前に進み出た。そして、アレイスト王に問い詰めようとして……結果、胸から剣を生やすことになった。

刺された魔人族の男は、肩越しに振り返り、そこにいた人間族を見て驚愕に表情を歪めた。その表情を見れば、彼等が浅はかならぬ関係であることが分かる。本当に、信じられないと言った表情で魔人族の男は崩れ落ちた。

場が騒然とする。「陛下ぁ!」と悲鳴が上がり、倒れた魔人族の男に数人の男女が駆け寄った。

「さて、諸君、最初に言った通り、私は、諸君が一同に会してくれ本当に嬉しい。我が神から見放された悪しき種族ごときが国を作り、我ら人間と対等のつもりでいるという耐え難い状況も、創世神にして唯一神たる“エヒト様”に背を向け、下らぬ異教の神を崇める愚か者共を放置せねばならん苦痛も、今日この日に終わる! 全てを滅ぼす以外に平和などありえんのだ! それ故に、各国の重鎮を一度に片付けられる今日この日が、私は、堪らなく嬉しいのだよ! さぁ、神の忠実な下僕達よ! 獣共と異教徒共に裁きの鉄槌を下せぇ! ああ、エヒト様! 見ておられますかぁ!!!」

膝を付き天を仰いで哄笑を上げるアレイスト王。彼が合図すると同時に、パーティー会場である甲板を完全に包囲する形で船員に扮した兵士達が現れた。

甲板は、前後を十階建ての建物と巨大なマストに挟まれる形で船の中央に備え付けられている。なので、テラスやマストの足場に陣取る兵士達から見れば、眼下に標的を見据えることなる。海の上で逃げ場もない以上、地の利は完全に兵士達側にあるのだ。それに気がついたのだろう。各国の重鎮達の表情は絶望一色に染まった。

次の瞬間、遂に甲板目掛けて一斉に魔法が撃ち込まれた。下という不利な位置にいる乗客達は必死に応戦するものの……一方的な暴威に晒され抵抗虚しく次々と倒れていった。

何とか、船内に逃げ込んだ者達もいるようだが、ほとんどの者達が息絶え、甲板は一瞬で血の海に様変わりした。ほんの数分前までの煌びやかさが嘘のようだ。海に飛び込んだ者もいるようだが、そこにも小舟に乗った船員が無数に控えており、やはり直ぐに殺されて海が鮮血に染まっていく。

「うっ」
「[香織]」

吐き気を堪えるように、[香織]が手すりに身を預け片手で口元を抑えた。余りに凄惨な光景だ。無理もないと、[ハジメ]は[香織]を支える。

アレイスト王は、部下を伴って船内へと戻っていった。幾人かは咄嗟に船内へ逃げ込んだようなので、あるいは、狩りでも行う気なのかもしれない。

彼に追従する男とフードの人物も船内に消える。

と、その時、ふと、フードの人物が甲板を振り返った。その拍子に、フードの裾から月の光を反射してキラキラと光る銀髪が一房、[ハジメ]には見えた気がした。

周囲の景色がぐにゃりと歪む。どうやら、先程の映像を見せたかっただけらしく、[ハジメ]と[香織]は元の朽ちた豪華客船の上に戻っていた。

「[香織]、少し休め」
「ううん、大丈夫だよ。ちょっと、キツかったけど……それより、あれで終わりかな? 私達、何もしてないけど……」
「この船の墓場は、ここが終着点だ。結界を超えて海中を探索して行くことは出来るが……普通に考えれば、深部に進みたければ船内に進めという意味なんじゃないか? あの光景は、見せることそのものが目的だったのかもな。神の凄惨さを記憶に焼き付けて、その上でこの船を探索させる……中々、嫌らしい趣向だよ。特に、この世界の連中にとってはな」

この世界の人々は、そのほとんどが信仰心を持っているはずであり、その信仰心の行き着く果ての惨たらしさを見せつけられては、相当精神を苛むだろう。そして、この迷宮は精神状態に作用されやすい魔法の力が攻略の要だ。ある意味、【ライセン大迷宮】の逆なのである。異世界人である[ハジメ]達だからこそ、精神的圧迫もこの程度に済んでいるのだ。

[ハジメ]と[香織]は甲板を見下ろし、そこで起きた凄惨な虐殺を思い出して気の進まない表情になった。[ハジメ]の場合、ただ単にウザそうなだけのようだったが。

二人は意を決して甲板に飛び降り、アレイスト王達が入って言った扉から船内へと足を踏み入れた。

船内は、完全に闇に閉ざされていた。外は明るいので、朽ちた木の隙間から光が差し込んでいてもおかしくないのだが、何故か、全く光が届いていない。[ハジメ]は、“宝物庫”から緑光石を使ったライトを取り出し闇を払う。

「さっきの光景……終戦したのに、あの王様が裏切ったっていうことかな?」
「そうみたいだな……ただ、ちょっと不自然じゃなかったか? 壇上に登った時は、随分と敬意と親愛の篭った眼差しを向けられていたのに……内心で亜人族や魔人族を嫌悪していたのだとしたら、本当に、あんなに慕われると思うか?」
「……そうだね……あの人の口ぶりからすると、まるで終戦して一年の間に何かがあって豹変した……と考えるのが妥当かも……問題は何があったのかということだけど」
「まぁ、神絡みなのは間違いないな。めっちゃ叫んでたし。危ない感じで」
「うん、イシュタルさんみたいだった……トリップ中の。痛々しいよね」

どうやら聖教教会の教皇は、女子高生からイタイ人と思われていたらしい。[ハジメ]は、少しだけ同情してしまった。二人で、先程の光景を考察しながら進んでいると、前方に向けられた[ハジメ]のライトが何かを照らし出した。白くヒラヒラしたものだ。

[ハジメ]と[香織]は足を止めて、ライトの光を少しずつ上に上げていく。その正体は、女の子だった。白いドレスを着た女の子が、俯いてゆらゆらと揺れながら廊下の先に立っていたのだ。

猛烈に嫌な予感がする[ハジメ]と[香織]。特に、[香織]の表情は引き攣りまくっている。[ハジメ]は、こんなところに女の子がいるはずないので取り敢えず撃ち殺そうとドンナーの銃口を向けた。

その瞬間、女の子がペシャと廊下に倒れ込んだ。そして、手足の関節を有り得ない角度で曲げると、まるで蜘蛛のように手足を動かし、真っ直ぐ[ハジメ]達に突っ込んで来た!

ケタケタケタケタケタケタケタッ!

奇怪な笑い声が廊下に響き渡る。前髪の隙間から炯々と光る眼で[ハジメ]達を射抜きながら迫る姿は、まるで何処ぞの都市伝説のようだ。

「いやぁあああああああああああ!!!!」
「うおっ!? 落ち着け[香織]! 腕を掴むな!」

テンプレだが、それ故に恐ろしい光景に、[香織]が盛大に悲鳴を上げて[ハジメ]にしがみついた。ケタケタ笑って迫る少女? をドンナーで撃とうとしていた[ハジメ]は、[香織]がしがみついたせいで照準をずらしてしまった。

「ケギャ!!」

瞬く間に足元まで這い寄った少女? は、奇怪な雄叫びと共に[ハジメ
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Once again, remember Sailing [Hajime] and look [Kaori] was a really huge ship scale so often seen on Earth. Becoming a 10-story structure in the only visible on the ground more than 300 meters in length. It's a magnificent decoration was created there, rot, look, give more. In the wooden vessel, I couldn't help but tries to federate, so ships have finished a thing and the shaft making good [Hajime] are the craftsmen of the time commercialism respect. The moon onto a terrace [Hajime] with [Kaori] and jumped with the "Aero", at the top of the luxury liner. Then, sure enough the surrounding space start distortion.See also... Solid moteyo, Kaori, watch out. Anyway it's not spectacle enough.「…… yes. Okay. " テンポの遅い[香織]の返事に、[ハジメ]は、先程の指摘は、迷宮攻略中に言う事ではなかったかと軽く後悔した。明らかに、[香織]のテンションがダダ下がりである。言わなければならないことだったと確信しているが、もう少し、タイミングというものがあったかもしれない。[香織]の浮かべる笑みが、[ハジメ]の知っているものと余りに異なり見ていられなくなったのだが……せめて【メルジーネ海底遺跡】を攻略するまで我慢すべきだった、かもしれないと[ハジメ]は頬をカリカリと掻きながら思った。 そうこうしている内に周囲の景色は完全に変わり、今度は、海上に浮かぶ豪華客船の上にいた。 時刻は夜で、満月が夜天に輝いている。豪華客船は光に溢れキラキラと輝き、甲板には様々な飾り付けと立食式の料理が所狭しと並んでいて、多くの人々が豪華な料理を片手に楽しげに談笑をしていた。「パーティー……だよね?」「ああ。随分と煌びやかだが……メルジーネのコンセプトは勘違いだったか?」 予想したような凄惨な光景とは程遠く肩透かしを喰ったような気になりながら、その煌びやかな光景を、[ハジメ]と[香織]は、おそらく船員用の一際高い場所にあるテラスから、巨大な甲板を見下ろす形で眺めていた。 すると、[ハジメ]達の背後の扉が開いて船員が数名現れ、少し離れたところで一服しながら談笑を始めた。休憩にでも来たのだろう。 その彼等の話に聞き耳を立ててみたところ、どうやら、この海上パーティーは、終戦を祝う為のものらしい。長年続いていた戦争が、敵国の殲滅や侵略という形ではなく、和平条約を結ぶという形で終わらせることが出来たのだという。船員達も嬉しそうだ。よく見れば、甲板にいるのは人間族だけでなく、魔人族や亜人族も多くいる。その誰もが、種族の区別なく談笑をしていた。「こんな時代があったんだね」「終戦のために奔走した人達の、まさに偉業だな。終戦からどれくらい経っているのか分からないが……全てのわだかまりが消えたわけでもないだろうに……あれだけ笑い合えるなんてな……」「きっと、あそこに居るのは、その頑張った人達なんじゃないかな? 皆が皆、直ぐに笑い合えるわけじゃないだろうし……」「そうだな……」 楽しげで晴れやかな人々の表情を見ていると、[ハジメ]と[香織]も自然と頬が緩んだ。暫く眺めていると、甲板に用意されていた壇上に初老の男が登り、周囲に手を振り始めた。それに気がついた人々が、即座におしゃべりを止めて男に注目する。彼等の目には一様に敬意のようなものが含まれていた。 初老の男の傍には側近らしき男と何故かフードをかぶった人物が控えている。時と場合を考えれば失礼に当たると思うのだが……しかし、誰もフードについては注意しないようだ。 やがて、全ての人々が静まり注目が集まると、初老の男の演説が始まった。「諸君、平和を願い、そのために身命を賭して戦乱を駆け抜けた勇猛なる諸君、平和の使者達よ。今日、この場所で、一同に会す事が出来たことを誠に嬉しく思う。この長きに渡る戦争を、私の代で、しかも和平を結ぶという形で終わらせる事が出来たこと、そして、この夢のような光景を目に出来たこと……私の心は震えるばかりだ」 そう言って始まった演説を誰もが身じろぎ一つせず聞き入る。演説は進み、和平への足がかりとなった事件や、すれ違い、疑心暗鬼、それを覆すためにした無茶の数々、そして、道半ばで散っていった友……演説が進むに連れて、皆が遠い目をしたり、懐かしんだり、目頭を抑えて涙するのを堪えたりしている。 どうやら初老の男は、人間族のとある国の王らしい。人間族の中でも、相当初期から和平のために裏で動いていたようだ。人々が敬意を示すのも頷ける。 演説も遂に終盤のようだ。どこか熱に浮かされたように盛り上がる国王。場の雰囲気も盛り上がる。しかし、[ハジメ]は、そんな国王の表情を何処かで見たことがあるような気がして、途端に嫌な予感に襲われた。「――こうして和平条約を結び終え、一年経って思うのだ………………実に、|愚かだったと《・・・・・・》」 国王の言葉に、一瞬、その場にいつ人々が頭上に“?”を浮かべる。聞き間違いかと、隣にいる者同士で顔を見合わせる。その間も、国王の熱に浮かされた演説は続く。「そう、実に愚かだった。獣風情と杯を交わすことも、異教徒共と未来を語ることも……愚かの極みだった。わかるかね、諸君。そう、君達のことだ」「い、一体、何を言っているのだ! アレイストよ! 一体、どうしたと言うッがはっ!?」

国王アレイストの豹変に、一人の魔人族が動揺したような声音で前に進み出た。そして、アレイスト王に問い詰めようとして……結果、胸から剣を生やすことになった。

刺された魔人族の男は、肩越しに振り返り、そこにいた人間族を見て驚愕に表情を歪めた。その表情を見れば、彼等が浅はかならぬ関係であることが分かる。本当に、信じられないと言った表情で魔人族の男は崩れ落ちた。

場が騒然とする。「陛下ぁ!」と悲鳴が上がり、倒れた魔人族の男に数人の男女が駆け寄った。

「さて、諸君、最初に言った通り、私は、諸君が一同に会してくれ本当に嬉しい。我が神から見放された悪しき種族ごときが国を作り、我ら人間と対等のつもりでいるという耐え難い状況も、創世神にして唯一神たる“エヒト様”に背を向け、下らぬ異教の神を崇める愚か者共を放置せねばならん苦痛も、今日この日に終わる! 全てを滅ぼす以外に平和などありえんのだ! それ故に、各国の重鎮を一度に片付けられる今日この日が、私は、堪らなく嬉しいのだよ! さぁ、神の忠実な下僕達よ! 獣共と異教徒共に裁きの鉄槌を下せぇ! ああ、エヒト様! 見ておられますかぁ!!!」

膝を付き天を仰いで哄笑を上げるアレイスト王。彼が合図すると同時に、パーティー会場である甲板を完全に包囲する形で船員に扮した兵士達が現れた。

甲板は、前後を十階建ての建物と巨大なマストに挟まれる形で船の中央に備え付けられている。なので、テラスやマストの足場に陣取る兵士達から見れば、眼下に標的を見据えることなる。海の上で逃げ場もない以上、地の利は完全に兵士達側にあるのだ。それに気がついたのだろう。各国の重鎮達の表情は絶望一色に染まった。

次の瞬間、遂に甲板目掛けて一斉に魔法が撃ち込まれた。下という不利な位置にいる乗客達は必死に応戦するものの……一方的な暴威に晒され抵抗虚しく次々と倒れていった。

何とか、船内に逃げ込んだ者達もいるようだが、ほとんどの者達が息絶え、甲板は一瞬で血の海に様変わりした。ほんの数分前までの煌びやかさが嘘のようだ。海に飛び込んだ者もいるようだが、そこにも小舟に乗った船員が無数に控えており、やはり直ぐに殺されて海が鮮血に染まっていく。

「うっ」
「[香織]」

吐き気を堪えるように、[香織]が手すりに身を預け片手で口元を抑えた。余りに凄惨な光景だ。無理もないと、[ハジメ]は[香織]を支える。

アレイスト王は、部下を伴って船内へと戻っていった。幾人かは咄嗟に船内へ逃げ込んだようなので、あるいは、狩りでも行う気なのかもしれない。

彼に追従する男とフードの人物も船内に消える。

と、その時、ふと、フードの人物が甲板を振り返った。その拍子に、フードの裾から月の光を反射してキラキラと光る銀髪が一房、[ハジメ]には見えた気がした。

周囲の景色がぐにゃりと歪む。どうやら、先程の映像を見せたかっただけらしく、[ハジメ]と[香織]は元の朽ちた豪華客船の上に戻っていた。

「[香織]、少し休め」
「ううん、大丈夫だよ。ちょっと、キツかったけど……それより、あれで終わりかな? 私達、何もしてないけど……」
「この船の墓場は、ここが終着点だ。結界を超えて海中を探索して行くことは出来るが……普通に考えれば、深部に進みたければ船内に進めという意味なんじゃないか? あの光景は、見せることそのものが目的だったのかもな。神の凄惨さを記憶に焼き付けて、その上でこの船を探索させる……中々、嫌らしい趣向だよ。特に、この世界の連中にとってはな」

この世界の人々は、そのほとんどが信仰心を持っているはずであり、その信仰心の行き着く果ての惨たらしさを見せつけられては、相当精神を苛むだろう。そして、この迷宮は精神状態に作用されやすい魔法の力が攻略の要だ。ある意味、【ライセン大迷宮】の逆なのである。異世界人である[ハジメ]達だからこそ、精神的圧迫もこの程度に済んでいるのだ。

[ハジメ]と[香織]は甲板を見下ろし、そこで起きた凄惨な虐殺を思い出して気の進まない表情になった。[ハジメ]の場合、ただ単にウザそうなだけのようだったが。

二人は意を決して甲板に飛び降り、アレイスト王達が入って言った扉から船内へと足を踏み入れた。

船内は、完全に闇に閉ざされていた。外は明るいので、朽ちた木の隙間から光が差し込んでいてもおかしくないのだが、何故か、全く光が届いていない。[ハジメ]は、“宝物庫”から緑光石を使ったライトを取り出し闇を払う。

「さっきの光景……終戦したのに、あの王様が裏切ったっていうことかな?」
「そうみたいだな……ただ、ちょっと不自然じゃなかったか? 壇上に登った時は、随分と敬意と親愛の篭った眼差しを向けられていたのに……内心で亜人族や魔人族を嫌悪していたのだとしたら、本当に、あんなに慕われると思うか?」
「……そうだね……あの人の口ぶりからすると、まるで終戦して一年の間に何かがあって豹変した……と考えるのが妥当かも……問題は何があったのかということだけど」
「まぁ、神絡みなのは間違いないな。めっちゃ叫んでたし。危ない感じで」
「うん、イシュタルさんみたいだった……トリップ中の。痛々しいよね」

どうやら聖教教会の教皇は、女子高生からイタイ人と思われていたらしい。[ハジメ]は、少しだけ同情してしまった。二人で、先程の光景を考察しながら進んでいると、前方に向けられた[ハジメ]のライトが何かを照らし出した。白くヒラヒラしたものだ。

[ハジメ]と[香織]は足を止めて、ライトの光を少しずつ上に上げていく。その正体は、女の子だった。白いドレスを着た女の子が、俯いてゆらゆらと揺れながら廊下の先に立っていたのだ。

猛烈に嫌な予感がする[ハジメ]と[香織]。特に、[香織]の表情は引き攣りまくっている。[ハジメ]は、こんなところに女の子がいるはずないので取り敢えず撃ち殺そうとドンナーの銃口を向けた。

その瞬間、女の子がペシャと廊下に倒れ込んだ。そして、手足の関節を有り得ない角度で曲げると、まるで蜘蛛のように手足を動かし、真っ直ぐ[ハジメ]達に突っ込んで来た!

ケタケタケタケタケタケタケタッ!

奇怪な笑い声が廊下に響き渡る。前髪の隙間から炯々と光る眼で[ハジメ]達を射抜きながら迫る姿は、まるで何処ぞの都市伝説のようだ。

「いやぁあああああああああああ!!!!」
「うおっ!? 落ち着け[香織]! 腕を掴むな!」

テンプレだが、それ故に恐ろしい光景に、[香織]が盛大に悲鳴を上げて[ハジメ]にしがみついた。ケタケタ笑って迫る少女? をドンナーで撃とうとしていた[ハジメ]は、[香織]がしがみついたせいで照準をずらしてしまった。

「ケギャ!!」

瞬く間に足元まで這い寄った少女? は、奇怪な雄叫びと共に[ハジメ
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Again, remember to look up too and Hajime. Kaori's ship, the earth would be well not really a huge scale of the ship. A total length of more than three hundred meters too, even if only partially visible on the ground to build ten floor structure. Here and there in the magnificent decoration, have a bad impression to see, and so on. Wooden boat, how well, and so the finished boat, Hajime. Also, to buildI could not help but to the workmen in the respect. Hajime's made up, have to use "Kaori and aerodynamic", and on to the terrace at the top of the luxury cruise ship. Then, as might be expected, the distortion of surrounding space.

「 again... To seize firmly Kaori's face. Don't look at the sight 」
「…… Yeah. All right, it's a slow tempo 」

Kaori's reply, Hajime, pointed out of the labyrinth in lightly and not regret it.Obviously, the tension of Kaori dada is falling. A little more, but it was not sure if the timing to say what might have been. Kaori's float of the smile that's about Hajime no look too different from that of... At least until the "G - Mel ruins to capture to put up with it, while the crisp and Hajime's cheeks may scratch. TooIn the meantime, the surrounding landscape has changed completely, this time on a luxury cruise ship floating in the sea. In the night time too, the full moon is shining in the night sky. The luxury liner, and full of light shine on deck, in line with the buffet restaurant and luxurious decorate, a lot of people to cook with one hand to chatted merrily.

「 party... Isn't it? "
「 oh. Very gorgeous... It was the concept of メルジーネ? " TooAs expected, the ghastly sight like eating far from dodging care, while its dazzling spectacle, Kaori Hajime. From the terrace, and perhaps in the high places, especially for the crew of the giant view on the deck. Well, the door of Hajime. Behind the crew appeared in several open, a little distance away started chatting with a puff. I will come to rest. That is, they hear erect ears, this sea partyIn order to celebrate the end of the war. The war continued for many years, and that the invasion of enemy annihilated, but not in the form that can be done in the form of connecting the peace treaty. The sailors all happy. If you look at the deck is not only human, there are many ATO group and death group. Everyone, regardless of race to chat.

「 such times that you were in the war effort 」
「 for people just great.Don't know... How old are you... Not all will have something... To... So how to laugh... "
「 surely right there, people who don't do anything? Everyone, not just to laugh... To... "
「 now... " Beaming with delight and natural loose cheeks and then Kaori Hajime and expression of the people. And while the view
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