その後、リリアーナとハジメ達をその場に残し、モットー達は予定通りホルアドへと続く街道を進んでいった。去り際に、ハジメが異端者認定を受けている terjemahan - その後、リリアーナとハジメ達をその場に残し、モットー達は予定通りホルアドへと続く街道を進んでいった。去り際に、ハジメが異端者認定を受けている Bahasa Indonesia Bagaimana mengatakan

その後、リリアーナとハジメ達をその場に残し、モットー達は予定通りホルア

その後、リリアーナとハジメ達をその場に残し、モットー達は予定通りホルアドへと続く街道を進んでいった。去り際に、ハジメが異端者認定を受けている事を知っている口振りで、何やら王都の雰囲気が悪いと忠告までしてくれたモットーに、ハジメもアンカジ公国が完全に回復したという情報を提供しておいた。それだけで、ハジメが異端者認定を受けた理由やら何やらを色々推測したようで、その上で「今後も縁があれば是非ご贔屓に」と言ってのけるモットーは本当に生粋の商人である。

モットー達が去ったあと、ハジメ達は魔力駆動四輪の中でリリアーナの話を聞くことになった。焦燥感と緊張感が入り混じったリリアーナの表情が、ハジメの感じている嫌な予感に拍車をかける。そして、遂に語りだしたリリアーナの第一声は……

「愛子さんが……攫われました」

ハジメの予感を上回る最低のものだった。

リリアーナの話を要約するとこうだ。

最近、王宮内の空気が何処かおかしく、リリアーナはずっと違和感を覚えていたらしい。

父親であるエリヒド国王は、今まで以上に聖教教会に傾倒し、時折、熱に浮かされたように“エヒト様”を崇め、それに感化されたのか宰相や他の重鎮達も巻き込まれるように信仰心を強めていった。

それだけなら、各地で暗躍している魔人族のことが相次いで報告されている事から、聖教教会との連携を強化する上での副作用のようなものだと、リリアーナは、半ば自分に言い聞かせていたのだが……

違和感はそれだけにとどまらなかった。妙に覇気がない、もっと言えば生気のない騎士や兵士達が増えていったのだ。顔なじみの騎士に具合でも悪いのかと尋ねても、受け答えはきちんとするものの、どこか機械的というか、以前のような快活さが感じられず、まるで病気でも患っているかのようだった。

そのことを、騎士の中でもっとも信頼を寄せるメルドに相談しようにも、少し前から姿が見えず、時折、光輝達の訓練に顔を見せては忙しそうにして直ぐに何処かへ行ってしまう。結局、リリアーナは一度もメルドを捕まえることが出来なかった。

そうこうしている内に、愛子が王都に帰還し、ウルの町での詳細が報告された。その席にはリリアーナも同席したらしい。そして、普段からは考えられない強行採決がなされた。それが、ハジメの異端者認定だ。ウルの町や勇者一行を救った功績も、“豊穣の女神”として大変な知名度と人気を誇る愛子の異議・意見も、全てを無視して決定されてしまった。

有り得ない決議に、当然、リリアーナは父であるエリヒドに猛抗議をしたが、何を言ってもハジメを神敵とする考えを変える気はないようだった。まるで、強迫観念に囚われているかのように頑なだった。むしろ、抗議するリリアーナに対して、信仰心が足りない等と言い始め、次第に、娘ではなく敵を見るような目で見始めたのだ。

恐ろしくなったリリアーナは、咄嗟に理解した振りをして逃げ出した。そして、王宮の異変について相談するべく、悄然と出て行った愛子を追いかけ自らの懸念を伝えた。すると愛子から、ハジメが奈落の底で知った神の事や旅の目的を夕食時に生徒達に話すので、リリアーナも同席して欲しいと頼まれたのだそうだ。

愛子の部屋を辞したリリアーナは、夕刻になり愛子達が食事をとる部屋に向かい、その途中、廊下の曲がり角の向こうから愛子と何者かが言い争うのを耳にした。何事かと壁から覗き見れば、愛子が銀髪の教会修道服を着た女に気絶させられ担がれているところだった。

リリアーナは、その銀髪の女に底知れぬ恐怖を感じ、咄嗟にすぐ近くの客室に入り込むと、王族のみが知る隠し通路に入り込み息を潜めた。

銀髪の女が探しに来たが、結局、隠し通路自体に気配隠蔽のアーティファクトが使用されていたこともあり気がつかなかったようで、リリアーナを見つけることなく去っていった。リリアーナは、銀髪の女が異変の黒幕か、少なくとも黒幕と繋がっていると考え、そのことを誰かに伝えなければと立ち上がった。

ただ、愛子を待ち伏せていた事からすれば、生徒達は見張られていると考えるのが妥当であるし、頼りのメルドは行方知れずだ。悩んだ末、リリアーナは、今、唯一王都にいない頼りになる友人を思い出した。そう、香織だ。そして、香織の傍には話に聞いていた、あの南雲ハジメがいる。もはや、頼るべきは二人しかいないと、リリアーナは隠し通路から王都に出て、一路、アンカジ公国を目指したのである。

アンカジであれば、王都の異変が届かないゼンゲン公の助力を得られるかもしれないし、タイミング的に、ハジメ達と会うことが出来る可能性が高いと踏んだからだ。

「あとは知っての通り、ユンケル商会の隊商にお願いして便乗させてもらいました。まさか、最初から気づかれているとは思いもしませんでしたし、その途中で賊の襲撃に合い、それを香織達に助けられるとは夢にも思いませんでしたが……少し前までなら“神のご加護だ”と思うところです。……しかし……私は……今は……教会が怖い……一体、何が起きているのでしょう。……あの銀髪の修道女は……お父様達は……」

自分の体を抱きしめて恐怖に震えるリリアーナは、才媛と言われる王女というより、ただの女の子にしか見えなかった。だが、無理もないことだ。自分の親しい人達が、知らぬうちに変貌し、奪われていくのだから。

香織は、リリアーナの心に巣食った恐怖を少しでも和らげようと彼女をギュッと抱きしめた。

その様子を見ながら、ハジメは内心で舌打ちする。リリアーナの語った状況は、まるで【メルジーネ海底遺跡】で散々見せられた“末期状態”によく似ていたからだ。神に魅入られた者の続出。非常に危うい状況だと言える。

それでも本来なら、知った事ではないと切り捨てるべきだろう。いや、むしろ神代魔法の取得を急ぎ、早急にこの世界から離脱する方法を探すべきだ。

しかし、愛子が攫われた理由に察しがついてしまったハジメは、その決断を下すことが出来ない。なぜなら、十中八九、愛子が神の真実とハジメの旅の目的を話そうとした事が原因であると言えるからだ。おそらく、駒としての光輝達に、不審の楔を打ち込まれる事を不都合だと判断したのだろう、というハジメの推測は的を射ている。

ならば、愛子が攫われたのは、彼女を利用したハジメの責任だ。攫ったという事は殺す気はないのだろうが、裏で人々をマリオネットのごとく操り享楽に耽る者達の手中にある時点で、何をされるかわかったものではない。

ハジメの生き方が、より良くなるようにと助言をくれて、そして実際、悪くないと思える“今”をくれた恩師のことを、ハジメはどうにも放っておくことが出来そうになかった。

だからこそ……

「取り敢えず、先生を助けに行かねぇとな」

ハジメは、それを選ぶ。切り捨てず、見捨てず、救う事を選ぶ。

ハジメの言葉に、リリアーナがパッと顔を上げる。その表情には、共に王都へ来てくれるという事への安堵と、意外だという気持ちがあらわれていた。それは、雫達から、ハジメは、この世界の事にも雫達クラスメイトの事にも無関心だと聞いていたからだ。説得は難儀しそうだと考えていたのに、あっさり手を貸してくれるとは予想外だった。

「宜しいのですか?」

リリアーナの確認に、ハジメは肩を竦めた。

「勘違いしないでくれ。王国のためじゃない。先生のためだ。あの人が攫われたのは俺が原因でもあるし、放って置くわけにはいかない」
「愛子さんの……」

リリアーナは、ハジメが純粋に王国のために力を貸してくれるわけではないと分かり、少し落胆するものの、ハジメが一緒に来てくれる事に変わりはないと気を取り直す。しかし、次ぐハジメの言葉には、思わず笑みがこぼれてしまった。

「まぁ、先生を助ける過程で、その異変の原因が立ちはだかればぶっ飛ばすけどな……」
「……ふふ、では、私は、そうであることを期待しましょう。宜しくお願いしますね。南雲さん……」

愛子を攫ったのは教会の修道服を着た女だ。そして、異常な程教会に傾倒する国王達のことを聞けば、十中八九、今回の異変には教会が絡んでいると分かる。つまり、愛子を助けるということは、同時に異変と相対しなければならないという事でもあるのだ。その事は、ハジメも分かっているはずであり、それは取りも直さず、実質的にリリアーナに助力すると言っているに等しい。

香織と笑みを交わし合うリリアーナを横目に、ハジメは口元僅かに歪める。

ハジメには、愛子救出以外にも、もう一つ目的があった。それは【神山】にある神代魔法だ。ミレディからの教えでは、【神山】も七大迷宮の一つなのである。しかし、聖教教会の総本山でもある【神山】の何処に大迷宮の入口があるのか、さっぱり見当もつかない。探索するにしても、教会関係者の存在が酷く邪魔で厄介だった。

なので、先に攻略しやすそうな【ハルツィナ樹海】へ向かうことにしたのだが……今回の事で、【神山】に向かう理由が出来てしまった。そして、愛子を救出する過程で、教会と争う事になる可能性は非常に高い。ならば……総本山をハジメの方から襲撃して、そのまま神代魔法を頂いてしまうべきだろう、とハジメは考えた。

リリアーナの言った銀髪の女……ハジメの脳裏に、【メルジーネ海底遺跡】の豪華客船でチラリと見えたアルフレッド王の傍に控えていたフードの人物が浮かび上がった。船内に消える際、僅かに見えたその人物の髪は、確か“銀”だったと。同一人物かは分からない。時代が違いすぎる。しかし、ハジメには予感があった。その銀髪の女と殺り合う事になる、と。

ハジメは闘志を燃やす。己の道を阻むなら、例え相手が何であろうと、必ず殺してやる! と。瞳を野生の狼のようにギラつかせ、獰猛な笑みを口元に浮かべるハジメ。

「……ハジメ、素敵」
「はぅ、ハジメさんが、またあの顔をしてますぅ~、何だかキュンキュンしますぅ」
「むぅ、ご主人様よ。そんな凶悪な表情を見せられたら……濡れてしまうじゃろ?」

しかし、頬を赤らめて、ハァハァする女性陣のせいで雰囲気は何とも微妙だった。


いつも読んで下さり有難うございます
感想・意見・誤字脱字報告も有難うございます

遠藤を期待していた方がいたら、ごめんなさい。
煌めいたとはいえモブはモブ。他のキャラにもスポットを当てたかったので王女様にしました。
次回から王都編です。一気に駆け抜けようと思います。

次回は、日曜日の18時更新予定です。
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その後、リリアーナとハジメ達をその場に残し、モットー達は予定通りホルアドへと続く街道を進んでいった。去り際に、ハジメが異端者認定を受けている事を知っている口振りで、何やら王都の雰囲気が悪いと忠告までしてくれたモットーに、ハジメもアンカジ公国が完全に回復したという情報を提供しておいた。それだけで、ハジメが異端者認定を受けた理由やら何やらを色々推測したようで、その上で「今後も縁があれば是非ご贔屓に」と言ってのけるモットーは本当に生粋の商人である。 モットー達が去ったあと、ハジメ達は魔力駆動四輪の中でリリアーナの話を聞くことになった。焦燥感と緊張感が入り混じったリリアーナの表情が、ハジメの感じている嫌な予感に拍車をかける。そして、遂に語りだしたリリアーナの第一声は……「愛子さんが……攫われました」 ハジメの予感を上回る最低のものだった。 リリアーナの話を要約するとこうだ。 最近、王宮内の空気が何処かおかしく、リリアーナはずっと違和感を覚えていたらしい。 父親であるエリヒド国王は、今まで以上に聖教教会に傾倒し、時折、熱に浮かされたように“エヒト様”を崇め、それに感化されたのか宰相や他の重鎮達も巻き込まれるように信仰心を強めていった。 それだけなら、各地で暗躍している魔人族のことが相次いで報告されている事から、聖教教会との連携を強化する上での副作用のようなものだと、リリアーナは、半ば自分に言い聞かせていたのだが…… 違和感はそれだけにとどまらなかった。妙に覇気がない、もっと言えば生気のない騎士や兵士達が増えていったのだ。顔なじみの騎士に具合でも悪いのかと尋ねても、受け答えはきちんとするものの、どこか機械的というか、以前のような快活さが感じられず、まるで病気でも患っているかのようだった。 そのことを、騎士の中でもっとも信頼を寄せるメルドに相談しようにも、少し前から姿が見えず、時折、光輝達の訓練に顔を見せては忙しそうにして直ぐに何処かへ行ってしまう。結局、リリアーナは一度もメルドを捕まえることが出来なかった。 そうこうしている内に、愛子が王都に帰還し、ウルの町での詳細が報告された。その席にはリリアーナも同席したらしい。そして、普段からは考えられない強行採決がなされた。それが、ハジメの異端者認定だ。ウルの町や勇者一行を救った功績も、“豊穣の女神”として大変な知名度と人気を誇る愛子の異議・意見も、全てを無視して決定されてしまった。 有り得ない決議に、当然、リリアーナは父であるエリヒドに猛抗議をしたが、何を言ってもハジメを神敵とする考えを変える気はないようだった。まるで、強迫観念に囚われているかのように頑なだった。むしろ、抗議するリリアーナに対して、信仰心が足りない等と言い始め、次第に、娘ではなく敵を見るような目で見始めたのだ。 恐ろしくなったリリアーナは、咄嗟に理解した振りをして逃げ出した。そして、王宮の異変について相談するべく、悄然と出て行った愛子を追いかけ自らの懸念を伝えた。すると愛子から、ハジメが奈落の底で知った神の事や旅の目的を夕食時に生徒達に話すので、リリアーナも同席して欲しいと頼まれたのだそうだ。 愛子の部屋を辞したリリアーナは、夕刻になり愛子達が食事をとる部屋に向かい、その途中、廊下の曲がり角の向こうから愛子と何者かが言い争うのを耳にした。何事かと壁から覗き見れば、愛子が銀髪の教会修道服を着た女に気絶させられ担がれているところだった。 リリアーナは、その銀髪の女に底知れぬ恐怖を感じ、咄嗟にすぐ近くの客室に入り込むと、王族のみが知る隠し通路に入り込み息を潜めた。 銀髪の女が探しに来たが、結局、隠し通路自体に気配隠蔽のアーティファクトが使用されていたこともあり気がつかなかったようで、リリアーナを見つけることなく去っていった。リリアーナは、銀髪の女が異変の黒幕か、少なくとも黒幕と繋がっていると考え、そのことを誰かに伝えなければと立ち上がった。 ただ、愛子を待ち伏せていた事からすれば、生徒達は見張られていると考えるのが妥当であるし、頼りのメルドは行方知れずだ。悩んだ末、リリアーナは、今、唯一王都にいない頼りになる友人を思い出した。そう、香織だ。そして、香織の傍には話に聞いていた、あの南雲ハジメがいる。もはや、頼るべきは二人しかいないと、リリアーナは隠し通路から王都に出て、一路、アンカジ公国を目指したのである。 アンカジであれば、王都の異変が届かないゼンゲン公の助力を得られるかもしれないし、タイミング的に、ハジメ達と会うことが出来る可能性が高いと踏んだからだ。「あとは知っての通り、ユンケル商会の隊商にお願いして便乗させてもらいました。まさか、最初から気づかれているとは思いもしませんでしたし、その途中で賊の襲撃に合い、それを香織達に助けられるとは夢にも思いませんでしたが……少し前までなら“神のご加護だ”と思うところです。……しかし……私は……今は……教会が怖い……一体、何が起きているのでしょう。……あの銀髪の修道女は……お父様達は……」 自分の体を抱きしめて恐怖に震えるリリアーナは、才媛と言われる王女というより、ただの女の子にしか見えなかった。だが、無理もないことだ。自分の親しい人達が、知らぬうちに変貌し、奪われていくのだから。 香織は、リリアーナの心に巣食った恐怖を少しでも和らげようと彼女をギュッと抱きしめた。 その様子を見ながら、ハジメは内心で舌打ちする。リリアーナの語った状況は、まるで【メルジーネ海底遺跡】で散々見せられた“末期状態”によく似ていたからだ。神に魅入られた者の続出。非常に危うい状況だと言える。 それでも本来なら、知った事ではないと切り捨てるべきだろう。いや、むしろ神代魔法の取得を急ぎ、早急にこの世界から離脱する方法を探すべきだ。 しかし、愛子が攫われた理由に察しがついてしまったハジメは、その決断を下すことが出来ない。なぜなら、十中八九、愛子が神の真実とハジメの旅の目的を話そうとした事が原因であると言えるからだ。おそらく、駒としての光輝達に、不審の楔を打ち込まれる事を不都合だと判断したのだろう、というハジメの推測は的を射ている。 ならば、愛子が攫われたのは、彼女を利用したハジメの責任だ。攫ったという事は殺す気はないのだろうが、裏で人々をマリオネットのごとく操り享楽に耽る者達の手中にある時点で、何をされるかわかったものではない。 ハジメの生き方が、より良くなるようにと助言をくれて、そして実際、悪くないと思える“今”をくれた恩師のことを、ハジメはどうにも放っておくことが出来そうになかった。 だからこそ……「取り敢えず、先生を助けに行かねぇとな」 ハジメは、それを選ぶ。切り捨てず、見捨てず、救う事を選ぶ。 ハジメの言葉に、リリアーナがパッと顔を上げる。その表情には、共に王都へ来てくれるという事への安堵と、意外だという気持ちがあらわれていた。それは、雫達から、ハジメは、この世界の事にも雫達クラスメイトの事にも無関心だと聞いていたからだ。説得は難儀しそうだと考えていたのに、あっさり手を貸してくれるとは予想外だった。「宜しいのですか?」 リリアーナの確認に、ハジメは肩を竦めた。「勘違いしないでくれ。王国のためじゃない。先生のためだ。あの人が攫われたのは俺が原因でもあるし、放って置くわけにはいかない」「愛子さんの……」 リリアーナは、ハジメが純粋に王国のために力を貸してくれるわけではないと分かり、少し落胆するものの、ハジメが一緒に来てくれる事に変わりはないと気を取り直す。しかし、次ぐハジメの言葉には、思わず笑みがこぼれてしまった。「まぁ、先生を助ける過程で、その異変の原因が立ちはだかればぶっ飛ばすけどな……」「……ふふ、では、私は、そうであることを期待しましょう。宜しくお願いしますね。南雲さん……」 愛子を攫ったのは教会の修道服を着た女だ。そして、異常な程教会に傾倒する国王達のことを聞けば、十中八九、今回の異変には教会が絡んでいると分かる。つまり、愛子を助けるということは、同時に異変と相対しなければならないという事でもあるのだ。その事は、ハジメも分かっているはずであり、それは取りも直さず、実質的にリリアーナに助力すると言っているに等しい。 香織と笑みを交わし合うリリアーナを横目に、ハジメは口元僅かに歪める。 ハジメには、愛子救出以外にも、もう一つ目的があった。それは【神山】にある神代魔法だ。ミレディからの教えでは、【神山】も七大迷宮の一つなのである。しかし、聖教教会の総本山でもある【神山】の何処に大迷宮の入口があるのか、さっぱり見当もつかない。探索するにしても、教会関係者の存在が酷く邪魔で厄介だった。 なので、先に攻略しやすそうな【ハルツィナ樹海】へ向かうことにしたのだが……今回の事で、【神山】に向かう理由が出来てしまった。そして、愛子を救出する過程で、教会と争う事になる可能性は非常に高い。ならば……総本山をハジメの方から襲撃して、そのまま神代魔法を頂いてしまうべきだろう、とハジメは考えた。 リリアーナの言った銀髪の女……ハジメの脳裏に、【メルジーネ海底遺跡】の豪華客船でチラリと見えたアルフレッド王の傍に控えていたフードの人物が浮かび上がった。船内に消える際、僅かに見えたその人物の髪は、確か“銀”だったと。同一人物かは分からない。時代が違いすぎる。しかし、ハジメには予感があった。その銀髪の女と殺り合う事になる、と。 ハジメは闘志を燃やす。己の道を阻むなら、例え相手が何であろうと、必ず殺してやる! と。瞳を野生の狼のようにギラつかせ、獰猛な笑みを口元に浮かべるハジメ。「……ハジメ、素敵」「はぅ、ハジメさんが、またあの顔をしてますぅ~、何だかキュンキュンしますぅ」「むぅ、ご主人様よ。そんな凶悪な表情を見せられたら……濡れてしまうじゃろ?」 しかし、頬を赤らめて、ハァハァする女性陣のせいで雰囲気は何とも微妙だった。いつも読んで下さり有難うございます感想・意見・誤字脱字報告も有難うございます遠藤を期待していた方がいたら、ごめんなさい。煌めいたとはいえモブはモブ。他のキャラにもスポットを当てたかったので王女様にしました。次回から王都編です。一気に駆け抜けようと思います。
次回は、日曜日の18時更新予定です。
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