2. ノーショナル・ファンクショナルシラバス―コミュニカティブ・アプロ

2. ノーショナル・ファンクショナルシラバス
―コミュニカティブ・アプローチの展開 その1:Content(内容)の拡大―

雷堤亘4:
伝統的な語学の教科書には、各レッスンで教えるべき構文という形で教授項目=学習項目が細分化されて提示されている。このような教授項目=学習項目の一覧表をシラバスという。シラバスには作成する側の言語観や言語教育観によって様々のものがある。例えばALMにおいては、言語は構造的に細かく分けられたものの総和であり、言語学習は刺激と反応を軸とした習慣形成であるという見方から、細分化された基本文型の集成という形でシラバスが作成される。これが構造シラバスである。ALMで使われる教科書はこの構造シラバスにのっとって各項目を基本文型から派生文型へ、あるいは単純で短い文型から複雑で長い文型へと並べられる。そしてその提示の方法は文型練習が最も効率的にできるような方向が追求されることになる。コミュニカティブ・アプローチはこの構造シラバスの批判に始まったといわれるが、教科書が授業の主体であった70年代初頭を考えた場合これは当然のことであった。それでは、今までの論議をら、ま

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